6日目 Panadura ビーチ

長時間の移動の後で、どうしようもなく体がだるく首、肩、頭、背中が痛い。食欲もあまりなく、仕方なしのように朝食をとる。今朝も中国人の姿が目立つ。初めてスリランカに来たころに比べると、観光客としての中国人が多くなり、装いもあか抜けてきたなと感じる。このホテルのオーナーは中国人で、少し前に日本人からホテルを買い取ったそうです。
スタッフたちが来ているボーダーのシャツは、日本人オーナーのころから使っているとスタッフの一人が言っていました。

 

ホテルからの眺め
<ホテルからの眺望>

 

今日もPanaduraの友人の家を訪ねる。日曜日なので、10歳の次女も在宅。目がクリクリとした可愛らしい子だ。
商談が中心で、CBDオイルを主体とした30種類のハーブを原料とするチョコレート、エメラルド、カーテン生地を生かしたポーチ、サンダルウッドの精油など次々と話を進めていく。疲労困憊の中とてもきついが先日と違って計画停電もなく、エアコン(スリランカでは、“AC”と呼んでいる)が効いて過ごしやすい。
昼食に、フライパンで焼いたアジのような魚をいただいた。とても美味しい。カレーは、チキン、ジャックフルーツ、ダル(豆)、ドライフィッシュなどを混ぜていただく。ドライフィッシュは、一辺が2センチ程度の立方体状の干し魚で、カレーによく使われる。ほどの良い塩気がある。

 

 

夕方、ビーチへ夕涼みに出る。満潮であれば、浅い部分が広いので海へ入っても平気ですが、今日は干潮なので誰も海の中に入っていない。このビーチは、急に深くなるうえに外海なので、潮流が速く水泳に適していません。
それでも、砂が細かく綺麗なので散歩や軽い水遊びには適しています。サンダルを脱ぎ、浜辺をひとしきり散歩をする。中国人の経営するホテルの灯りだけが目立つ。

 

PanaduraビーチPanaduraビーチPanaduraビーチ

 

帰りの足は今夜もPick Meのタクシー。ホテルに到着した時にドライバーが、あたふたとしていて「料金は240スリランカ・ルピー」だと言うので、メーターのセットをし忘れてしまったと気が付いた。可哀そうなので、先日乗った時が1500スリランカ・ルピーだと伝え、この料金を払った。どの国にもウッカリさんはいる。

 

 

7日目 Rangira キトル・シロップ

今日も体が重い。限界まぢかか?

 

新規の取引先候補と面談のため、高速道路を使い南へ向かう。出発が遅かったので、渋滞に巻き込まれずに済む。高速道路の交通量も少なく快適なドライブ。高速道路で目立つのは、日本の観光バスとそん色の無い新しいタイプの観光バスです。市街地で見かける他の車のほとんどが中古の日本車なので、観光バスが異質に感じられる。
とはいえ、数年前まで目立っていた、日本で使用されていたままの〇〇工務店とか××クリーニング店といった表記がされている車両が激減しています。
スリランカは、イギリス統治の時代から右ハンドルが継承されているので、日本車が都合いいようです(もちろん高性能で故障しにくいという評価があってのことですが)。
人気のある車種は、ホンダのヴェゼル(VEZEL)。

 

 

いつもガラガラの高速道路

 

目的地は、Rangira。静かな自然に囲まれたところです。
Kitulというヤシの一種から採れる花の蜜を煮詰めたキトル・シロップとバテイックを使用したバッグについて商談を進めましたが、残念ながら今はバッグを扱っていないそうです。
キトル・シロップは、お菓子作りに使ったり、紅茶に入れたりするほか、蜂蜜のように使うことが多いそうです。
「キトル・シロップは、砂糖を混ぜたまがい物が多いから気をつけなさい。」と、スリランカ人の友人たちに言われていたのですが、『まがい物が多ければ商売になる』と確信をしてここを訪れました。
社長は、穏やかな人柄で牧歌的な雰囲気を感じました。説明の中でも、「砂糖が交ぜられたシロップが多いが、シロップを冷やすと砂糖の結晶が瓶に付着するので判別しやすい。」と教えられました。
この会社は、この地域の経済的な発展のためにフェアトレードを確立しようと取り組んでいるそうです。やっぱりいい人だ。

 

 

帰り道で遅い昼食を摂る。いかんせん田舎町なので、観光客が立ち寄るようなレストランはありません。カレーショップに入る。並んでいるカレーの具材から選ぶシステム。食事代は、二人分で650スリランカ・ルピー。
外国人が訪れるのが珍しいのか、店主は始終笑顔。

 

 

Rangira Sri LankaRangira Sri Lanka

 

 

8日目 コロンボ マッサージ、Ministry of Crab

疲労度Max。どうしようもない状態。
ガイドさんに頼んであったマッサージ店へ行く。メインロードを一本入った、民家が立ち並ぶところに古めかしいたたずまいの家屋。一見してお店だと判らないが、塀の上にチョコンと小さな看板が見える。マッサージ店の名は、“Raehna”。ここをガイドさんの母親から教えてもらったそうで、長いこと営業しているそうです。見た目もそのとおり・・・
受付で体の状態を伝え料金を支払う、1時間で2500スリランカ・ルピー。日本でもマッサージを受けたことがないので、高いのか安いのかわからない。

 

 

スリランカのマッサージ店

 

個室に通され、バスタオルを腰に巻いた状態で待つこと3分。隣の家で犬が吠えている以外に音がない。やっと女性のマッサージ師が現れ、施術台の上に仰向けになれと言う。マッサージ開始。何かしらのオイルを塗り左足、右足、腰、背中と肩の順に進めていく。呻きが漏れるくらいに痛い。付け根から先端へと進めていくのが流儀らしい。途中で何のオイルかと訊くと、”Olive Oil”と答える。言葉の問題なのだろうか、なんの問いかけもなく、ひたすらマッサージが進められる。静寂は気まずいが、こちらも呻き以外の声は無し。
ひととおり終えると、うつぶせになって施術を進めていく。最後に、関節の曲がり具合を確かめると終了。
タオルを渡され、オイルを拭い去る。シャワーなどはない。気力を失うような頭痛が消え、首や肩の痛みも薄れている。『よかった』と安堵。
お礼に500スリランカ・ルピーをマッサージ師に渡す。多いのか少ないのかは分からない。
ホテルに戻りシャワーを浴びると、久しぶりの爽快感を覚える。
後で友人にマッサージ店について訊くと、Spa Ceylonが有名だが高いと言っていた。マッサージ師は、男性だそうだ。

 

 

気分が良くなれば、美味しいものを食べたくなる。2年前に泊まったレジデンスのオーナーが、Ministry of Crabを勧めてくれたくれたことを思い出したので、昼食だが行ってみることにする。
今は観光地になっているDutch Hospital の中にある。WTC (World Trading Centre) のはす向かいにあり、後日爆弾テロの被害を受けたKingsbury Colombo の近くである。

 

 

Dutch HospitalMinistry of CrabMinistry of Crab

 

 

7年ほど前にWTC へ足しげく訪れた時には工事中だったが、とても綺麗に整備されて日本食レストランなども入っている。
Ministry of Crabでメニューを広げていると、スタッフが「この暑さでカニが不漁のため、予約がないとカニを提供できない」という。ほんじゃエビにします。
この店は、クリケットの名選手二人Kumar Sangakkara、Mahela Jayawardenaと日本料理レストランのオーナーとして有名なDharshan Munidasaによって作られたそうです。創業わずか5年で、コロンボに住む人の誰もが知っている店になっています。

 

 

9日目 紅茶ブローカー、帰国

いよいよ最終日。昨日のマッサージのおかげで、体の不調を感じない。
ホテルのオーナーと友人が知り合いだったので、15:30までのレイトチェックアウトをお願いしてくれた。またここに泊まろうという気になる。

 

 

今日一番の目的は、紅茶のブローカー事務所を訪問することです。スリランカの紅茶は、例外を除いて生産した90%をスリランカ紅茶局のオークションに出品しなければならない。残りは、自己使用や従業員に配ったり、独自に小売りをしたりすることが出来る。
ブローカーの役割は、生産者(農家や紅茶工場)の望む価格を聞いたうえで農家や紅茶工場がオークションに出すお茶を鑑定し、生産者に代わってオークションへの出品手続きをします。ブローカーの実入りは、生産者からの手数料です。ブローカーは、国内に7件あるそうです。

 

紅茶ブローカー紅茶ブローカー紅茶ブローカー

 

 

写真にあるように、長い台の上に『これでもか』というように記号がふられた茶葉が並んでいる。ここには、紅茶のグレードの中でも、いちばん茶葉が細かいDust が並んでいます。
明日のオークションへ出品するための準備中だそうです。
テイスティングの仕方を教えてもらう。まず茶葉の色、粒子、香り、触った感触を観たのちにテイスティングをする。紅茶は5分以上蒸らしたもので、味や香りがはっきりと判りやすいようにしてある。お茶の色あいを見たのちにスプーンでお茶をすくい、『ズズズッ』とすする。口の中(特に前歯の裏あたり)で味と香りを確かめる。口に含んだお茶は飲まずに専用の瓶へ吐き捨てる。水で口をすすぐこともなく次のお茶のテイスティングに移ります。いくつか味わって見ると、明らかな違いを感じられる。美味しいとか不味いとかいうのではなく、甘味、渋み、えぐみに加えて香の違いもわかる。なかにはスモーキーなものがあったので、鑑定士に訊いてみると「茶葉の発酵に失敗したもの」という説明でした。

 

 

オークションは、ほぼ毎日のように開かれています。日本と違い年中暖かいため、ほぼ10日で新芽が出るそうですから、さもありなんです。
とてもいい経験をさせてもらいました。

 

 

昼食は、“大北京”で中華料理。二人で6835スリランカ・ルピー。香辛料が苦手な人にはお勧めできません。

 

 

いろいろ買いすぎたので、スーツケースに入らないものはガイドさんに託しEMSで送ってもらうことにする。
いつものとおり高速道路がすいており、早めに空港に到着。スリランカでの新年が間近なせいなのか、空港は通常に比べてすいているようだ。搭乗手続きも比較的にスムースに行き、あとは免税店でのお土産さがし。だんだんと空港内の免税店や飲食店が増えて、観光立国を目指している様子がうかがえる。家内からのリクエストで“シャネルのオードトワレ No.5”買う。あれこれ考えるのが面倒なので、娘に“Carolina Herrera のオードパフューム GOOD GIRL”を買う。

 

 

成田空港へ向かうスリランカ航空機内では、横浜で働いている姉に会いに行くというお嬢さんの隣。行きが肩幅の広いおにいさんの隣だったので楽に感じる。機内食は、ベジタリアン向けの物しか残っていなっかたので、試に食べてみたが・・・
前日に東京でも雪が舞ったという東京の上空は良く晴れており、富士山の遠景も望めた。無事に帰国。