古代からつづく仏教の都市、世界遺産アヌラーダプラ

アヌラーダプラ ルワンウェリ・サーヤ大塔

 

アヌラーダプラは、コロンボから東北に約200km、北中央県に位置する乾燥地帯にあります。平均気温は約30°、湿度は平均72%です。風速は約8キロ程度です。現在は北中央州の首都とスリランカ北部で最大の都市です。標高は海抜81m、面積は7179平方キロメータルの広さです。アヌラーダプラ地区は、全体に平たんな土地ですが、所々に山がいきなりそびえ立っています。特に有名なミヒンタレ、ガルクラマ、マハカンダラワ、リティガラは目立つ山々です。これらの山は、地元の生態学的システムの多様性に役立っています。この地域への主な水源は12月から2月の間にやって来る、平均1500ミリの北東モンスーンによる雨です。もう一つの源はマルワトゥ・オヤ(スリランカで2番目に長い川)へとつながる少数の支流です。全長164キロの川は、マタレ地区のイナマルワ山脈の湧水池からアヌラーダプラを通ってマンナ湾(インド洋)へと流れます。その上にアヌラーダプラは、古くからある人工貯水池、タンク、全長89kmのヨーダエラ(ジャヤガンガ)を含む運河が流れる水に恵まれた土地です。

 

 

古代の文化・文明は、仏教徒の生活と大きな関係があり、街は仏教徒が生活しやすいように適切に計画されていました。そのような時代に、南インドのタミル人に侵略があり、荒廃した仏教寺院や修道院などの巨大な廃墟を発見されたこの都市は、1982年に、ユネスコの世界遺産として “アヌラーダプラ神聖の都市” と名付けられました。
紀元前377年にパンドゥカーバヤ王によって街が造られ、100人以上の王がアヌラーダプラからセイロン(スリランカ)を支配していた事が記録に残っています。西暦1017年までの実に1394年間もスリランカの首都でした。パンドゥカーバヤ国王は、それまで首都にしていたウパシッサガマからアヌラーダプラに遷都しました。
孫の王子、デバナ?ピヤシッサが紀元前307年に王位を継承して、一年後に仏教を導入しました。王は仏教の価値を理解して、国教として仏教を採り入れたことにより仏教国家に変貌しました。同じ時代のアショーカ帝国の王子で、仏教の悟りを開いていた僧マヒンダが尊敬を受け、現在でも毎年6月の満月に仏教の祭り(ポゾン祭)がアヌラーダプラ中心に全国で行われています(ポゾン祭り)。その後、アヌラーダプラを中心として仏教が広まり、全国的に伝播して現在に至っています。
その後も、多くの戦いに強かった王や愛国的な王の支配を受けて、アヌラーダプラと全セイロンを守られた長い歴史があります。11世紀の初めころに南インドのラジャーラジャ帝王に負けたマヒンダ五世が、もしも少年ではなかったとしたら、違う歴史になっていたでしょう。

 

アヌラーダプラに首都があった1400年の間に南インドに3回敗れて、4回目はアヌラーダプラの街が二度と復興しないように、ラジャーラジャは強大な都市に火を放ち、すべての宝物を略奪したという不幸な歴史があります。

 

アヌラーダプラ 菩提樹

 

白く輝くルワンウェリ・サーヤ大塔に眼を奪われてしまいますが、それだけではありません。ブッダが悟りを開いたといわれるスリー・マハーと呼ばれる菩提樹は、インドのブッダガヤの菩提樹の分け木です。この木が、聖地アヌラーダプラの根源ともいえるもので、写真にあるように、多くの人が敬虔な祈りをささげる姿がみられます。

 

また、小さな鐘がたくさん下がっている建物があり、掛け声に従って皆で鐘を鳴らします。ネパールのチベット仏教寺院で、クルクルと回すマニ車(一回まわすと、お経を一度読んだことになるもの)を思わせるものです。訪れた際には是非ためしてみて下さい。
こんなものもあります。大きな象が繋がれているのですが、この象の下をくぐると幸せになるといわれています。色々やって、旅を楽しみましょう。

 

 

鉄道でのシーギリヤへの行き方

 

乗車駅:フォート駅(コロンボ)
下車駅:アヌラーダプラ駅
乗車時間:急行で約5時間、普通は約7時間です。
料 金:Rs.1000ぐらい (ファーストクラス)

 

アヌラーダプラ駅から世界遺産まで―駅は古代の街の中にあるので、ガイドブックを見ながら歩ける距離です。広い街なので離れた遺跡への訪問は、歩きでは疲れるかもしれませんから、自転車を借りた方が便利だと思います。
お勧めのホテル:新市街にはゲストハウス、ミニホテルに星のあるホテルもあります。自分好みのホテルが探せるでしょう。観光客向けのレストランが少ないですが、ローカルフードレストランは値段が安いです。
(エランガ)

 

 

アヌラーダプラ ルワンウェリ・サーヤ大塔
ルワンウェリ・サーヤ大塔

 

アヌラーダプラ 菩提樹アヌラーダプラ 菩提樹
菩提樹

 

アヌラーダプラアヌラーダプラ